解決事例

2026.10.22

  • サービス業
  • 事業承継・M&A・組織再編

第三者企業との代理店契約が関わるM&Aで、法務DDにより買収リスクを回避した事例

業種
サービス業サービス業
相談分野
事業承継・M&A・組織再編事業承継・M&A・組織再編
顧問契約
スタンダード
  • M&A
  • 法務デューデリジェンス
  • 英文契約書

相談内容

顧問先企業から、同業他社の買収に伴う法務デューデリジェンス(法務DD)のご相談を受けました。
買収対象企業は、第三者企業との代理店契約を基盤として事業を展開していたため、M&A後も同契約を継続できるのか、その契約内容に問題がないかを確認する必要がありました。
また、買収対象企業の事業実態についても懸念があったことから、契約関係だけでなく、実際の事業運営の状況を含めて調査することになりました。

解決結果

法務DDで契約上のリスクを把握し、不利な条件での買収を回避

弁護士が契約書関連資料を精査したところ、事業の基軸となる第三者企業との契約をM&A後もそのまま引き継げるか不透明であることが分かりました。
さらに、財務DDを担当する税理士とも連携し、買収対象企業の事業実態について調査を実施しました。
その後、買収条件について交渉を進めましたが、相手方から当初の想定を大幅に上回る要求が提示されました。顧問先企業として受け入れることが難しい条件であったため、買収には至りませんでした。
結果として、法務DDの段階で契約上のリスクや事業上の懸念を把握できたことで、不利な条件で買収を進めることを避けることができました。

事案のポイント

①第三者企業との契約内容に関するリスクの抽出

買収対象企業は、第三者企業との代理店契約を基盤として事業を行っていました。
そこで、契約関係資料を確認し、M&Aによって契約関係にどのような影響が生じるのかを検討しました。
その結果、M&A後も現在の契約をそのまま引き継げるかが明確ではないことが判明しました。買収対象企業の事業継続にも関わり得る重要な問題であったため、買収判断にあたって考慮すべきリスクとして顧問先企業に説明しました。

②事業実態に関する調査の実施

買収対象企業については、オフィスの形態などから、実際の事業運営の状況について確認すべき点がありました。
そこで、財務DDを担当する税理士とも情報を共有し、対象企業へのインタビューなどを通じて事業実態を確認しました。

③買収条件を踏まえた適切な判断

顧問先企業は、買収対象企業が提供しているサービスを自社で一から構築する時間を短縮できることなどから、当初は買収を進める方針でした。しかし、法務DDで買収判断に関わるリスクが判明したため、売主に買収価格の減額を求めました。売主がこれに応じなかったことから、顧問先企業は買収を見送りました。

弁護士コメント

弁護士法人 いかり法律事務所

M&Aでは、売買価格や財務状況だけでなく、買収後も重要な契約を継続できるのか、対象企業の事業を予定どおり引き継げるのかという点も重要です。
特に、第三者企業との代理店契約などライセンスが事業の基盤となっている場合には、M&Aによる契約上の影響について事前に確認しておく必要があります。契約を引き継げなければ、買収後の事業継続に影響する可能性があるためです。
本件では、契約書の確認に加え、税理士とも連携して対象企業の事業実態を調査しました。その結果を踏まえて買収条件を検討したことで、不利な条件のまま取引を進めることを避けることができました。
M&Aを検討する際には、契約締結前の段階で法務DDを行い、取引上のリスクを把握したうえで買収条件を検討することが重要です。

  • プライバシー保護等のため、事案の細部を一部加工しています。
28

ご相談のご予約